secret WISH
「それでさっきあんな事訊いてきたのか?」
『本当にそう思ってる?』
なんて、そんな事訊かなくても帰ってくる答えは
絶対に分かっているだろうに訊いてきた理由。
まるでこの任務命令を遠回しにでも嫌がっている様。
「この任務、爺さんがお前の事思って俺に預けてくれたんだぜ?もしかしたら、俺の事を思ってかもしれねぇけど」
今までちゃんと寝てなかったんだろ?と朝に比べて薄くなった隈を撫でる。
反射的に目をつぶったチャロは、抵抗していた手で俺の服を掴んだ。
「違う、そうじゃない‥」
「じゃあ何?」
「私はあの女に付いて行った時から、いつかは必ず仲間を裏切ると決めていたの」
仲間を裏切って、お父さんには悪いけど、
「エル・ディアブロの一族を滅ぼそうって」
真剣な眼差しで訴えるチャロは、俺を見て続けた。
「そして今の私はコーラルたちにとって裏切り者なの、敵と同じ存在なの」
「な、何が言いたいんだよ」
「私がいつ襲われてもおかしくないってこと」
あぁ、だから俺を試すような訊き方をしたのか‥。
自分がいつ襲われてもおかしくない身で、
そんな自分の監視官になった俺に対してこれは、
「心配、してくれてるってこと?」
「当たり前じゃない!セレスが傷ついたら嫌だもん」
はぁ‥、
どうしてチャロはこうも嬉しい事ばかり言ってくれるんだろう。
ぐいっとその細い腕を引っ張り寄せると
俺は力任せにチャロを抱きしめた。
「ありがと、チャロ。でもさ、監視官の役代わると知らねぇおっさんとかになるよ?」
「‥それはイヤ」
「じゃあ、治癒能力持ってないし、チャロが思う恥ずかしい事を平気で言うお兄さんだけど我慢してくれよ」
「‥‥うん、そぅする」