SSマジック
「ぁ!この前の…」
一人が気付いたみたいだった。

「一人ずついいよね。あんたたち大勢だったらしいけど」

女子高生たちの顔色が悪い。
後ろから一人ずつ腕を動かせないように握り締めた。

愛は、一人だけ前に突き飛ばした。
突き飛ばされた勢いで、滑りこけた。

優は、その女の髪の毛をひっぱり、頭をあげさせた。

「よくもやってくれたわね」

いつもの優からは想像もできないような低い声で女に一言言い、平手で顔を叩い
た。

「きゃっ」
一瞬顔がぶれたが、優は手を離さなかった。

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