SSマジック
優はその隙を見逃さなかった。
数回腹に蹴りを入れたところで、女は声を出さなくなった。

口から血を垂らし、気を失った。

「優。終わりだよ。次こっち」

愛は女の腕から手を離し、前へ蹴った。

もう優の振り返った顔は、優の面影はどこにもなかった。

返り血を顔に受け、終始笑っていた。


「もういいわ。あとよろしく」

二人目が気を失ったところで優がいった。

あと二人、愛が連れてきていた子たちが殴りはじめた。

優は和人のほうへ歩きだした。
愛は後ろをついて歩いた。


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