SSマジック
「今日はもう休め」

そう言われて、時計を見たが、すでに授業が始まっている時間だった。

和人は、手を離すと、ベッドの横にもぐりこんだ。

「ちょっ…」

大きいベッドでは愛が、横にもぐりこんだ和人を追い出すように、腕をぐいぐい
押した。

でもその甲斐なく、逆に腕を掴まれた。

「ほら」
和人は、腕を愛の頭の上に差し出した。
腕枕をするから頭をあげろとの合図だった。

「や…ヤダッ」

そう言うと愛は和人とは反対のほうを向いた。

腕枕なんてさせてやるものか、と。
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