こころの展覧会
これでは、余計に女に見えてしまう。
また溜め息が出そうになったが、飲み込んだ。
「ありがとうございます。あの、あなたの名前は?」
藍は軽く一礼してから、女性を見上げた。
「私は鳴沢木蓮(ナルサワ モクレン)。ここに住んでる奴らは“レン”って呼んでるから、あんたも“レン”でいいよ」
「あのっ…僕はどうして連れてこられたんですか?」
「えっ………?」
木蓮は“え”という口の形のまま固まった。
少しの沈黙。
「私は姫に、あんたがこれからここで生活するって聞いたんだけどねぇ……、もしかして…なんの説明もされてなかったりするのかい…?」
「はい……」
藍はこの家に来るまでの経緯を、簡単に説明した。木蓮は眉をひそめ、ただなんともいえないという表情をするしかなかった。