硝子玉

その日から青空帳という写真日記を付けることにした。

これがあればいつか青空が記憶をなくしても生きてさえいれば思い出すかも知れないという期待をこめて。


4月28日(火)

今日の青空は向日葵みたいにきらきらしていた。

担任をおちょくって遊んでたら青空がバケツをかぶって現れて面白かったていうか可愛かった(恥


「何書いてんの?」

「七海?!」

後ろから七海がのぞき込んできて急いでノートを隠した。

「青空帳?なにそれ。」

先輩は視力が良い。

そのせいで隠したノートも丸見えだった。

「毎日の青空の写真と日記///」

「へぇ~結構やるねぇ~変態さん☆」

「変態じゃねぇ~」

「あら、そう。」

先輩はノートを奪って音読し始めた。

「ちょっと!七海!読むのはやめい!!!!!!!」

「なになにぃ~???」

「かえせってぇ!」

もみ合っているうちに先輩が僕の頬に手を添えた

「あんた、結構いい男だねぇ~」

「なに言ってんですか?!」

「褒めてんのよ?!嫌だったぁ?」

しばらく沈黙・・・・。

なんかそう思うと先輩も結構美人・・・


ってこのっ!僕の浮気者!!!!!!!!

「ねぇ。良いことしてあげる。」

「え?!」

先輩の顔がみるみるうちに近づいてきた。

「なにする・・・っ!!!!!!」

「あららぁ~やばいわね。彼女に見られちゃったぁ」

不意にキスをされ、先輩が扉の方を向いてそう言った。

その先には青空が唖然と立ち尽くしていた。

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