遠目の子鬼
僕はお姉ちゃんから咄嗟に視線を外す。


「うん、いや、良いんだ、何でも無いよ」


僕は作り笑いを浮かべると、ソファーから立ち上がりリビングから自分の部屋に向かった。


背中にお姉ちゃんの視線が刺さってくるのが分かったけど、今は無視する事に決めた。

         ★

椅子にちょこんと座ったなっちゃんは物珍しそうに景色や動物達を見回し僕と又兵衛の練習に付き合って居た。


うん、付き合ってくれていると言うよりは、なっちゃんが強引に押し掛けてきたと言うのが正しい見方かもしれない。


僕はちょっと緊張した。


僕と又兵衛の秘密…それが、今、僕が大好きななっちゃんと共有する秘密に成ったんだ。


ちょっぴり嬉しくて、ちょっぴりくすぐったい。
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