遠目の子鬼
「そ、そ…お」


英二が妙に怖かった。


「なあ、保孝。おまえ、なっちゃんの事、好きか?」


突然目の前に現れる英二のド、アップ。


英二がいきなり僕に向かって顔を突き出して来たのだ。


「――す、好きか、嫌いかって聞かれたら…好き…だよ」


それを聞いて英二はゆっくりと僕から顔を離す。


「そうか…相思相愛って事か」


英二は両目をつぶって腕を組み仁王立ちしながら僕に向かってそう呟いた。


「あ、あの、相思相愛って…」


英二は右目だけ開いて僕を真っ直ぐ見詰める。


「俺は無粋な男じゃぁ無い。なっちゃんが保孝の事を好きなら俺は何も言う事が無い。二人で幸せに成ればいい」
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