遠目の子鬼
「…おまえ、なっちゃんとは、うまく行ってるのか?」


僕は一瞬固まった。予想通りだ。英二がとんでもない事を言い出した。


「あ、あの、えいじぃ…」


どういう表情をしたら良いのか分からなかった。


僕となっちゃんは、特別な関係では無い。


普通のクラスメートで同じブラスバンド部員で、たまに一緒に練習するだけの仲なのだ。


英二はこの前の一件で、僕となっちゃんは付き合ってると一方的に思っているだけなのだ。


全ては誤解なのだ。英二の誤解は、何とかして解かなければ、本当に友情にヒビが入りそうだ。
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