遠目の子鬼
それに続いてひいが


「うわ~すげぇ、俺、人間始めて見た!」


そしてふうも


「すご~い、すご~い」


三人は手を取り合ってはしゃいだ。


人間がどうやら珍しいらしい。


そして彼等の憧れの的にもなっているらしい事も感じ取れた。


「又兵衛、この子達は?」


「俺の子供達さ。みんな元気で明るい子達だ。さ、こっちへ来い」


又兵衛が僕達を樹の裏手に案内する、そこには僕がちょっとかがんで丁度良い位の穴。その奥にはままごとの様な調度品が並んでいた。


「ここが、俺の家だ。どうだ、良い処だろ」


僕は中に入って物珍しく周りを見渡した。


「へぇ、凄いね。又兵衛ここで暮らしてるんだ」
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