白黒先生-二重人格彼氏-
「まぁ…あたしのタイプみたいなもんで…って、何言わせんですか!?」
あたしは我に返って、顔を赤くする。
わー…なんか自分の好みについて語っちゃったし!
「ふぅん………王子系、って感じの?」
「…えっ」
恥ずかしさで俯いていた顔をあげると、先生がいつになく真面目な顔であたしに問いかけていた。
腕は組んでいる。
おぉ…こうしてると、ちゃんと『先生』っぽく見える…!
そんなしょうもないことを考えながら、あたしは曖昧に返事をする。
「いや…王子系っていうか…その、まぁ…そうですね」
「じゃあ、俺は?」
いきなり自分を指さして先生が言った。
あたしは言葉にするのも面倒くさく、『お前何言ってんのさ』という顔で先生を見る。
「何だよその顔…だーから、俺はそのタイプに入ってんの? …って言ってんだよ」
真剣だった顔は崩れて、いかにも不機嫌そうな顔になった。