白黒先生-二重人格彼氏-
あたしはため息をひとつついてから言う。
「そんな口悪くて変態でスケベなあなたのどこが王子なんですか…」
「何だと?」
一息で言い終えると、先生が眉間に皺を寄せる。
背後から、邪悪な黒いオーラがたちこめてくる。
今にもあたしに襲いかかってきて殺されそうな勢い。
「わ…やっぱり怒った! 冗談です! すいませんってばっ」
慌ててあたしが顔の前で手を合わせて謝ると、邪悪なオーラ(らしきもの)は少しづつ縮小していくようで安心した。
「…まぁいい」
「え…」
思っていたより、割とアッサリおさまった先生の怒り。
あたしは拍子抜けした気分で、下を向いていた顔を上げる。
「って事は、お前を好きにさせれば、俺がお前の好きなタイプを覆したことになるな」
自信満々な顔。
でも言ってることはチンプンカンプンだ。