聖花学園~花よ咲き誇れ~
「っち……多分明日の授与式のことだな……」
 すぐ側で流依が小さく舌打ちしていた。

「ちゃんと待ってるのよ? くれぐれも一人で帰らないで」
 他の生徒もいるので女口調で、流依はしっかりとわたしに釘を刺した。

 私も表面上だけ承諾する。

「分かってるわ。出来る限り早く戻ってきてね」

 ニッコリと微笑み言ったわたしの言葉を何処まで信用したかは分からないが、流依はしぶしぶといった感じで職員室に向かった。


 わたしは少しだけ待つフリをして、他の生徒が少なくなったのを見計らって校内を出た。



 今日はあと寮に帰るだけだから大丈夫、何もないわよ。

 と、わたしは楽観視した。


 このときわたしは、前日が一番危ないという定番をすっかり忘れていたのだ。


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