無色の日の残像
「沿岸部に近い海上は巡視艇と衛星が隈無く見張ってるから、絶対に見つかるよ。実際きみら、衛星にばっちり発見されてたしね。とてもとても一年かけたとは思えない、穴だらけのステキな計画だね」

「この野郎ォ──」
「だからやめてってばっ」

 顔を赤くする空気と、必死になだめる羽海の前で、リンゴジュースを啜る新見少年。

「フーンだ、このお子ちゃま!」
 それを見て空気は鼻を鳴らした。

「リンゴジュースのどこがお子ちゃまだよ」
 新見少年は、この揶揄に少しだけ声を荒げる。

「いや、お子ちゃまだろ・・・・・・」
 空気は三白眼を半眼にしてそう言った。

 オレンジジュースを運んできたマスターに、酸っぱいのも駄目だと言って、ようやく落ち着いた飲み物がこれだった。
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