無色の日の残像
 昼過ぎになって、ようやく空気と羽海は起きてきた。

 ぐったりしている二人を連れて、無色は再び整備場を訪れた。

 錆びた工場から出てきた禿頭のおじさんは、首の後ろをぴたぴた叩きながら、言いにくそうに口を開いた。

「うーん、やっぱり時間がかかるなあ」

「どのくらいかかりそうですか?」
 ガックリしながら空気と羽海が尋ねると、おじさんはうーん、と唸った。

「あと三日──早くて二日ってとこだなあ」
「えっ」

 二人はびっくりした。

「悪いが今日明日じゃあどうにも・・・・・・」
「そ、そんなに早く終わるんですか!?」
「あ?」

 口を開けるおじさんの前で、空気と羽海は手を取り合って喜んだ。
 二、三日中ならば、ぎりぎりで修学旅行終了に間に合う。

「良かったね」
 無色が淡泊に祝福した。
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