無色の日の残像
「うーん、そんなにこっちと変わらないんじゃないかな」
「でも、技術はやっぱりこっちのほうが進んでるよな」

 家や学校の話を始める空気や羽海に、楽しそうに頷いたりクスクス笑ったりする透明は、空気が知るクラスメイトの少女たちと何も変わらない気がする。

「ねえ、透明は病院の外に出ることはできないの?」
 やがて羽海はそんなことを言い出した。

「許可を取れば、外出できるよ」と無色が答える。
「外で一泊したりは?」

「外泊か──したことないけど──たぶん手続きすれば可能だと思う」

 どうして? と無色は不思議そうに羽海に尋ねた。
 羽海は宙を睨むようにして考え込んでから口を開いた。

「だったら、明日あたり雨鳥さんのところに泊まってさ、透明も一緒にバーベキューパーティーとかできないかなあ、と思って」
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