【 LOVERS 】
『ん?・・・何?』

繭の側に行くと小さく笑い、

「やっぱり似てる」

持ってる箱を僕は受け取ると、

『えっ?何・・・?!』

その箱の中に女か男か
わからないフィギュアが一体。

何だこのヒラヒラした
王子様みたいなシャツは?

「ルゥだよ。
オレのお気に入りのキャラなん
だけど稜にそっくりでしょ?」

はぁ?!

その後、繭はツンデレだとか、
普段はこういう服だとか
秋葉で人気があるとか
僕にわかるように説明して
くれたけど・・・

ほとんど聞いてなかった。


わかったのは、
繭が僕に興味をもった理由。

そのキャラの容姿と行動が
僕と似ていたから・・・

もっと観察してみたかった?



あの時の笑みは
小馬鹿にされたんじゃなかった。


繭は何だか思いついたように


「今日は随分待たされたな。

オレのお願い聞いてくれるよね?」


そう言い、妖しい笑みを僕に向けた。


ゾクッ――

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