【 LOVERS 】
『やだ!絶対無理!!!』

繭に連れて来られた場所
コスプレ専門店。

「稜いい子だからさ、
オレの言うこと聞いてよ」


何言ってるの?

『こんなのあのキャラ着て
なかったよねぇ?』

絶対わざとだ!

「稜に似合うと思うよ」
と妖しげに笑う繭。

『意味わかんない!
首に鎖ついてるし!!』

絶対この状況を楽しんでる!

「可愛いのに・・・」


僕は何とかお願いし、
一番まともそうな?服を
着て赦してもらった。

普段なら絶対しないことをした。

繭といると僕のリズムが乱れる。



その後、繭とランチをとり、
街をブラブラしたけど・・・

23歳、脚本家

繭の話す言葉は哲学的で
さっきの繭とは別人に見えた。

繭と目が合うと、
すべてを見透かされそうで
逸らしたくなるのに、

その深く冷たい目の奥を
覗きたくて目が離せなくなる。


繭は人を惹きつけるのが
うまいのか?
ただ自分が興味をもったから
なのかわからないまま別れた。



繭は夕方から仕事だと言った。

僕は単純に脚本の打ち合わせか
何かと思っていたけど、



後で知ることになる。

繭が何をしてるか・・・?



そのことで自分が
壊れてしまうことを
この時の僕は

まだわかっていなかった。









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