【 LOVERS 】
『えっ?!』

ジュースを飲むのをやめて

「何?気づいてなかったの?
だって昔の稜ちゃん、
そんな感じだったよ(笑)
ほら、店でよく一緒に
なったでしょ?
何考えてるかわかんない顔
してたよ。
なんか冷めてるっていうか
あんまり笑わないし(笑)」


奈央さんが僕を見ていたことを
知った。

でも・・・似てるって・・・

「稜ちゃんその人のこと
好きなんだ♪」

クスッと笑って奈央さんが僕を見る。

『そんなんじゃないよ!』
と少し向きになる僕に奈央さんは、

「・・・稜ちゃんって鈍感だね。
自分の気持ちにっ。
稜ちゃんさっきから、
ず~とその繭さん?の話
ばっかりしてるよっ(笑)
自覚ないの・・・?」

『ん~・・・好きって感情では
ないと思うんだけど?』

自分でもよくわからなかった。

「でも気になるんでしょ?
繭さんのこと知りたいと
思ってるんでしょ?」

『・・・うん』

「その感情って恋愛の始まり
以外に何がある??
稜ちゃんの恋が始まらない
理由教えてあげようか?」

奈央さんがいたづらっぽく笑う。


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