シンシア ( l )
磨光ルージュは、アメリカの父と日本の母を持つクォーター(1/4)だった。
功夫(クンフー)は、伯父さん(おじ)から教わっていた。
身に付いたクンフーは、怪物達を次から次へと蹴り、殴り、倒し、消滅させていった。

ある時は、ブルース・リー「アチョーオッ」、またある時は、ジャッキー・チェン「ハハァーッ、ハイハイッ、ハーッ」、またある時は、ジェット・リー「フッ、フー、フンッ」、と俳優のように多彩な技を繰り広げていた。

「さー、来い来いっ。 このキョンシーヤロー」 調子ついてもいた。
血や肉、筋肉が躍動する。
しかし、知らず知らずのうちに、腐死人は、いなく成っていた。 身構える。

「う〜ん。 ちぇっ、この程度か。 お前ら、この俺をおいて、いい気に成るなよっ。 フンッ」
服やズボンの汚れを払い、ドアの方へ歩き始めた。
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