あの男は私に嘘をつく
「〜…なぁ、恭子っ!!!」








「へっ!!??」










耳元で叫ばれ、キーンと鳴る耳を押さえながら、修二を見た。











「…どうかした??」










「う、ううんっ!!ちょっと……、眠くなっただけ。」










修二は体勢を返え、無理矢理私の頭を押さえつけた。











「えっ!!??なに……っ!!」











「少し寝なさい。授業のとき、起こしてやるから。」











修二の手がそっと私の頭をなでた。何回も、何回も撫でて、私は眠りについた。修二の膝があったかくて、なんだか落ち着けた。











それと同時に、美香子を想った。












今何を考えて、誰を想ってるの…かな。












ごめん……、ごめんね、美香子。












修二にバレないように、片手で落ちる前の涙をすくった。
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