あの男は私に嘘をつく
久々に来た、店の奥の休憩室は、すっかりタバコの臭いが充満していた。












おじさんったら、またタバコ吸ったんだなぁ。













『禁煙』












それがおじさんの口癖だった。













「おじさん、そろそろタバコやめなきゃ、ヤバイんじゃないの??」












そう言うと、おじさんは決まって、












「うっせぇな、禁煙してるよ。」












そう言いながら、ふぅーっと白い煙を口から出し、手に持ったタバコを灰皿に押し付ける。












まったく…、どこが禁煙なのか…。









私も麗華姉さんも、呆れて何も言えなかった。












なのに、まだ吸ってるなんて…。もうっ!!どうなっても、知らないんだからっ!!!












「恭子ちゃん、ここ。」












私がなんだかんだ思ってる間に、麗華姉さんが足元を軽く片付け、椅子を用意してくれた。
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