あの男は私に嘘をつく
ぎこちない風に、椅子に腰かける。なんだかそわそわして、手に汗を握っているのが分かる。







「…で??どうかしたの??」









麗華姉さんが、肘をついたまま、私をまっすぐ見つめる。











「い、いや……、その……。」







つい目をそらしてしまった。あまりにもまっすぐ見てきた麗華姉さんの目が、今の私にはまぶしく感じた。









タイミングを見つけることができないまま、私はただ汚れた部屋の片隅にあるゴミ箱を、ひたすら見つめていた。入りきれなかったゴミが床に落ち、部屋の汚さをより一層引き立たせているように感じた。







そのまま、長い長い時間が過ぎていき、このタバコ臭さにももう慣れてしまっていた。
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