私があなたであなたが私!?
結局表情は読み取れなかった。
そのまま他愛のない話をしていると準備の一週間で一度だけ行った、柊家のアパートが見えてきた。
白いアパートの階段を登ると軽くミシミシと音が鳴る。
そして登り終えると一番端の扉の前に立った。
そしてカチャカチャと鍵を差し込みながらその扉は開いた。
ギィーという軋む音がして真っ暗な部屋の中が薄暗く見える。
「ただいまー」
と薫さんが本当に小さく、声を潜めて言ったので、つられて私も聞こえるか聞こえないかの音量で
「おじゃましまーす」
と言った。