海の上で、輝くアナタ。


「はい、」


そういって私たちは脱衣所に向かった。

カルチェさんは脱いだ物を律儀にかごの中にたたんで入れる。

はじめて、カルチェさんの背中を見た。
思わず震えてしまいそうだった。

大量の傷跡、きっとお母さんからつけられた物だ。

気付かなかったが、
それは腕や足にも少しあった。

焼け跡、斬れ跡、打ち跡、絞め跡。

10歳の子供の背中が、

こんな背中をしてるだなんて・・・


「麗華さんっ、背中ながします」


ニコッと微笑むカルチェさんの笑顔で、ハッと我に返った。
そうです、今は、私がお母さんなんですよね?
そうおもって、いいのですよね・・・


「よろしくおねがいしますネ・・・?」


そう笑顔で言う。


「麗華さんって、肌綺麗ですね・・・」


背中をタオルでゴシゴシしながら、カルチェさんは呟いた。


「そうですカ?私はカルチェさんノ肌も綺麗だとおもいますヨ?」

「あはは、僕は・・・壊れてますから・・・」


そういうカルチェさんに、私は微笑んだ。
こういうときは、いい方向に、全てが嫌なことにならないように、フォローしなければいけませんよね、


「凄く肌がしろいですね、透き通るようです。それに、凄くやわらかくて、サラサラしています・・・凄く綺麗な肌じゃないですか・・・」


そうニコ・・・と微笑むと、
背中に1滴1滴雫が落ちる。


「・・・・・・ありがとう、ございます・・・

麗、華さん・・・っ、」


声で分かった。


「泣きたいときは、我慢しないで、泣いてください。辛いときは辛いって言ってください。アナタには、ずっと笑顔で居て欲しいです・・・これは私のわがままですね、」


私の声、聞こえますか?
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