最高級の召使
ときめき
「楓さま?」


「じぃに会いたい……。
いつも悲しいこととかあったら
じぃが頭を撫ぜてくれた。
私はひとりぼっちだから
じぃだけが家族だった。」


「何か悲しいことが
あったのですか?」


私は首を振った。



でもどうしてか
今日は寂しくてじぃを思い出した。



「私では、だめですか?」


「そうじゃなくて…ウッ…ウッ…」
嗚咽まで出てきた。


要之助に言われたことが
ショックだった。
今までの自分の横柄な態度や
すべてに悲しかった。



「私なら……
あなたが悲しそうにしていたら」


そう言うと
静かに私を抱きしめた。
そして髪の毛を撫ぜた。
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