10年彼女
矢吹病院て、たしか矢吹系列の病院。

順に聞けば場所はすぐに分かった。

隣町の病院で、電車で15分程で着いた。

最上階、特別個室まで階段を駆け上がる。

こんな状況でも冷静だった俺。

きっと心のどこかで確信していたんだ。

病室に笑顔で座っている李梨と、

「心配させんな!」と怒る順。

安堵に泣き崩れる奈流。







そんな幸せな


「幻」を――











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