10年彼女
バンッ!

順が勢いよくドアを開けた。

そこに居たのは横たわった李梨。

俺に不安がよぎった。

その俺の不安は的中する。




李梨の顔に、白い布がかぶせてあったんだ…。



白の似合う李梨。

この日だって白いワンピースを着ていた。

そのワンピースも、血で紅く染まり……。

「順様!!」

「田中!李梨は…!?」

田中と呼ばれた男は目を伏せた。

医院長らしいが、順には頭が上がらない。

「トラックにはねられまして…
運ばれた時、すでに意識は…」

嘘…だろ?

なんで李梨が…


奈流の、たった1人の親友で

順の、1番大切なヒト。

俺の、たった3人の“トモダチ”だった…
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