キミは許婚
「おかえりなさ~い!!」
コースを一周して出発点まで戻ってきたら、明るいお姉さんが迎えてくれた。
最初の急降下以降、聖は身を小さく固めたまま何もしゃべらず動かなかった。
「聖……大丈夫?」
「あぁ……手、貸せ」
先に降りたあたしに、手を差し出してきた。
助けてもらおうとしてるくせにこの態度のデカさ。
でも……人って慣れちゃうものなんだね。
嫌な気持ち一つもなく、聖に手、差し伸べちゃうよ。