キミは許婚
でもすぐに言葉が出なかった。
「ま……まだ、わかんないよ……」
やっと出た言葉は曖昧な言葉でしかなかった。
だって本当にまだわからない。
嫌いじゃないことは確かだけど、好き……でもないと思うし。
「あ、そういえば……遊園地で哲太と会った」
幼馴染なだけあって、父も母も哲太のことはよく知っている。
あたしが突然話題を変えたことで、目を丸くしていた父だったが、すぐ目尻にしわを作って、哲太の顔を思い浮かべるように天井に目を移した。