キミは許婚
父の恋愛講座はまだ終わらなかった。
「それにワシには上条くんに言われたから明は好きだと思っているだけに見えるんだが」
「そ……そう? 悲しい気持ちになったのに?」
「自分が一番親しい人を取られたというジェラシーはあるかもしれんが、今のお前は失恋したように見えんぞ」
……失恋かぁ。
そういうことになるんだよね。
でもあたし今まで恋したことないから、これが恋なのかも、失恋なのかもわかんないよ。
「失恋だったとしたら、聖くんが忘れさせてくれたのか?」
「え!? 聖!?」
父がいたずらに笑う。
それはさっきの笑みとも似ていた。