キミは許婚
「お母さん! これから行ってくる!」
「あ、はぁい。気をつけてねぇ~」
のんびりした口調はいつものこと。
でもいつもならもっと元気があるというか優雅な感じなのに……元気ないな。
「お母さん……お父さん、やっぱり体調悪いみたいなの?」
「そんなことはないんだけど……昨日も遅かったし、今日も遅いみたいだから。
明は気にしなくていいのよ? 行ってらっしゃい」
優しく微笑んでくれたけれどやっぱり元気はなかった。
後ろ髪をひかれる思いもあったけど、柚野さんを待たせているのであたしは急いで外へ出ることにした。