キミは許婚


学校までの道のりをいつもより遅いペースで歩いていると、後ろから軽快な足音が聞こえた。


足音がすぐ隣まで来て止まる。


俯いていた顔をあげて人物を確認すると、朝日を背に、爽やかに笑いかけてくる哲太がいた。



「やっぱり明だ! 何しょぼくれてんの?」


「哲太……! べ、別にしょぼくれてなんか……」


「嘘ついても無駄だって。俺、明の顔見たら一瞬でその日の気分がわかるから。知ってるだろ?」



哲太は得意気にフフンと鼻を鳴らした。


そんな特技いらないのにっ!
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