キミは許婚


あたしがムッとしていると、それが面白いかのようにさらにあたしの心境を当ててくる。



「理由もわかるよ。上条社長だろ? 今日ニュースでやってたやつ!」


「……違うし。ていうか見たんだ」


「違わねぇだろ。顔歪めて強がってんじゃねぇよ」



強い言葉とは正反対に、あたしの頭に優しく手を置いた。



「明が上条社長のこと好きなのは知ってる」


「す、好きじゃない!」


「だから辛いのも知ってる」


「辛くないもん!」


「強がりなのも知ってる。意地っ張りで可愛くないのも知ってる」



怒って鬱陶しげに頭上の手を払いのけると、哲太は嬉しそうに笑った。
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