キミは許婚


上条さんがあたしの手を握る。


リビングから連れ出された時のように力任せに握られるのかと思ったら意外と優しい。




……なんて思っていたら、上条さんがニヤリと笑った。


次の瞬間、思いっきり引っ張られて、あたしの身体は水辺の魚が跳ねるかのように床から勢いよく離れた。



「きゃっ!」



軽く悲鳴を上げながら、抵抗もできずになされるがまま。


上条さんの腕の中へ飛び込んでいた。
< 30 / 533 >

この作品をシェア

pagetop