キミは許婚


一番後ろに座ってて良かった。


こんなポタポタ落ちる涙、止め方を知らない。


誰かに見られたらたまったもんじゃない……。




そう思っていたら、突然教室の後ろのドアが開いた。



「佐原! 佐原明はいるか!?」



あたしの名前を呼ぶのは先生。


何かしたかな?なんて疑問に思う前に涙を拭いて返事をした。



「はい! あ、あたしです……」


「荷物まとめて出て来い!」



先生に急かされるまま、涙で濡れたノートを閉じて荷物をまとめ、慌てて廊下へ出た。
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