キミは許婚


「な、なんですか?」



一度も講義してもらったことが無く、大学内ですれ違ったことしかない先生に警戒しながら聞いた。



「落ち着いて聞けよ」



先生がもったいぶる。


固唾を呑んであたしは先生の言葉を待った。



「お父さんが倒れて……救急車で運ばれた」


「……え?」



頭の中が真っ白になる。



その場で動けなくなったあたしは、先生に引っ張られながら、校門前で待っていた父の運転手に連れられて病院まで向かった。

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