キミは許婚
「あ……お母さん……だから夕飯の話してたんだ。作りすぎないように……なんて」
誕生日、そう思うと朝の母の言葉が理解できた。
毎年あたしの誕生日は母が盛大な本格的料理を作る。
「去年は中華だったよね……その前はイタリアン……今年はなんだろ。フレンチかな?」
そしていつも食べきれない。
今年だけじゃなくて毎年作りすぎないように気をつければいいのにと思う。
でも丸一日を使って作った母の料理はとてもおいしい。
「本当は残したくないんだけどなぁ……」
記憶のある料理を頭の中で浮かべていると、お腹が反応したように情けない声を出して鳴いた。