キミは許婚
もう、なんの迷いもなくあたしはそれを受け入れようとする。
……が、
「ウォッホン」
……父の咳払いが聞こえた。
「チッ」と、舌打ちをする聖の後ろを覗きこむと、腕組みをした父が立っていた。
「お、お父さん!」
「人前でそういったことはやめてくれんかね。聖くん」
「あぁ、申し訳ない。海外生活がまだ抜けていないようで……」
上辺だけの笑顔を浮かべ、聖は肩をすくめて見せた。
……海外生活って……どういうこと?