キミは許婚
父から送られる視線を聖はじっくり受け止めている。
早く……聖、何か言い返してよ。
逃げてないよね。
だって、新しく会社を設立することだって大変なんだもん。
本当に逃げるなら……あたしとの約束、守らないでしょ?
あたしの胸はざわついている。
聖の代わりにあたしが言い返してやりたい。
もどかしく思っているとやっとのことで聖は口を開いた。
「逃げた……そう言われても仕方がないと思っています」
「……聖!」
聖の敗北に近い言葉を聞いて驚いたあたしは、聖に目をやった。