キミは許婚
時間を戻すことが可能なら今すぐ上条さんと出会う前に戻したい。
それで過去の自分に、怪しい人物は部屋に入れるなって警告をしてやりたい。
そんな出来もしないことを考えていると、上条さんが細いため息をついた。
「好きな人とだけしたいっていうなら大丈夫だ」
「……何が大丈夫って言うんですか?」
「お前はこれから俺のこと、絶対好きになる」
「は?」
本気で言ってるの? と、言葉じゃなく顔だけで聞き返す。
「というか、もう俺のこと好きになってるだろ?」
「………………」
……もうダメ。
思考も身体も固まってしまって言葉が何も出てこない。