キミは許婚
「ここが俺の部屋だ」
高級マンションの中に入り、オートロックのロビーを抜け、24時間有人のカウンターを抜け、
さらにエレベーターのロックも抜けてたどり着いた階は43階。
一応、父が大手企業の社長だけあって、セレブな生活には慣れていたつもりだけど……
さすがにこの厳重体制には驚いて関心の声が上がるばかりだ。
「お邪魔します……」
聖に続いて玄関へ足を踏み入れる。
あたしの家よりは、やっぱりマンションというだけあって狭いけれど、
それでも生活するだけなら充分すぎるくらい広い玄関。
これならお客様を何十人呼んでも大丈夫だろう。
「こっちへ来い、コーヒーでも入れてやる」
聖は玄関から真っ直ぐに続く廊下を歩きながらあたしを呼んだ。