キミは許婚
聖に遅れまいとあたしは廊下を小走りに後へ続いた。
その途中、チラチラとドアが開いている部屋を覗き見た。
廊下もどの部屋も、全体的に黒を基調にしているけど暗くなりすぎないように、
ところどころ白とグレーと木を使った家具や壁でシックに合わせられている。
そしてどこにもゴミはもちろん、ほこりも見当たらない。
天井のライトも綺麗に光を放っている。
「聖、綺麗にしてるんだ……」
「当たり前だ……と言いたいところだが、掃除は掃除のプロを呼ぶからな。爽が」
柚野さん……私生活も面倒見てるの?……大変だろうな。
秘書を越えた世話に、柚野さんをちょっとだけ気の毒に思った。
聖について来いと言われた場所はリビングだった。
間接照明が雰囲気を醸し出し、バーの様なオープンキッチンもあった。
でも一番、目に着いたのは壁一面の大きな窓。
43階から見下ろす夜景は絶景だった。