キミは許婚


そしてピアノ線はプツリと切られる。



「私は佐原さんがいいと思います」



……嫌な予感は的中した。



「私も佐原さんがいいと思います!」


「佐原さん、お父様もしっかりされてるし、きっと佐原さん自身ならやってくださると思います!」


「そうです! 佐原さんが委員長なら私達ついていきます!」



口々にあたしを推薦する声が上がる。


父のことは今、全く関係ないと思うんだけど……。



「そうか。皆、佐原がいいと思うんだな。確かにお父様も偉大な方だもんな。どうだ? やってくれるか、佐原?」



だから父は関係ないってば。



あたしは頭が痛くなりながらも、嫌だと言う勇気はなく、頷くしかできなかった。
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