キミは許婚


哲太の笑顔は心地いい。



あたしと哲太は生まれた時からのお隣さんで、親同士も仲が良く、いつも一緒に遊んでいた。


もう兄妹のような仲だ。



だから今日みたいに突如哲太の家に転がり込んだ所で拒否はされないし、もう何回もあることだから慣れているみたいだ。



「今日おばさんは?」


「仕事! 遅くなるんだってさ。ほら、食え!」



哲太の家は母子家庭。


お父さんは哲太が2歳の頃に病気で亡くなったらしい。


だから哲太の記憶にはない……写真の中だけの父親。


父親がいないことを寂しいとか、辛いとか、哲太はそんな気持ちを微塵も感じさせないからすごい。


あと、家事全般こなせるのもすごいと思う。

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