キミは許婚
哲太が手早く作り終えたチャーハンを口に運ぶと、
空腹だったお腹も、苛立っていた気分も幸せな気持ちで少しずつ満たされていく。
「あたしの家じゃこういうのなかなか出ないから久々に食べたよ。
ん~! 哲太のチャーハンおいしい!」
「褒めろ褒めろ~。褒めてもデザートは付かないけどな」
哲太は普通の家庭だ。
決して裕福なんかじゃない。
でもあたしなんかにへりくだったりせず、引いたりもせず、毛嫌いもせず、対等に話をしてくれるから何でも言葉にできる。
他の人の前で「家じゃチャーハンでない」なんていうと
「どうせ毎日フレンチでしょ?」とか「高級レストランばっかり行ってるんでしょね」なんて言われちゃうもん。
哲太といる楽しいひと時と香ばしいチャーハンを噛み締めていると、先に食べ終えた哲太はあたしを見てきた。