テディベアは裏切らない
「――ねえ小百合、聞いてる?」

「あ。――ごめん、あんまり聞いてなかった。なに?」

レナちゃんはどんどん進めていく。

まあ、おばあちゃんの家に行くことは二人にも言っていない。だからそのことを持ち出せば、私は二人の夏休みエンジョイ計画からは外してもらえるだろう。

だから、それを伝えた。

レナちゃんとほたるちゃんは、とても悲しそうな、そして悔しそうな顔で、「そっか」と私から目を逸らした。

ごめんね。二人には、そう思う。それは、引きずり出した言葉じゃないと、自分では思ってる。


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