Bitter&Sweet





展望台の駐車場に
車をとめ降りる



辺りは朝もやに包まれ
なんだか幻想的に感じた



お兄ちゃんが私に
手を差し伸べて



一瞬、ためらったけど
手を差し出し繋いだ



展望台の丸太で出来た
柵に近づくと
ひざがガクガク震え出した



「…………姫?」


お兄ちゃんは
立ち止まった私を振り返り
不思議そうな顔をしたけど
すぐに「ああ」ってうなずいた



「姫は高い所ダメだもんな」



「ダメ。
これ以上は進めない~」



展望台の中途半端な場所で
首を横に振った私の手を
お兄ちゃんは引っ張って



「ダイジョーブだよ
オレがいるんだから」



「で、でも、怖いモノは
怖いよぉ~」



半べそかく私を
お兄ちゃんは笑い




「大丈夫だよ
オレのそばにいれば
姫は何も心配しなくていい」



その言葉は
高い所を怖がる私にではなく
きっと…………




お兄ちゃんは
フッ……と真顔に戻り




「何も怖がる事なんかない」




はっきりと言った






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