Bitter&Sweet




「なぁ~んにも見えない」



後ろから私を抱きしめ
辺りを見渡し
お兄ちゃんは残念そうに言った




柵の下に広がる景色は
見事に もやに包まれ
真っ白に霞んでた



「これなら姫も
怖くないだろう?」



「お兄ちゃん……」


私を抱く腕に
そっと手を添えて




「夕べのことは忘れるね……」




「………なに言ってるの?姫」



ずっと考えてた


お兄ちゃんが
私を好きって
言ってくれたのは嬉しい



私もお兄ちゃんが
すごく好き………



だけど



「私たち兄妹だよ?」



「そんなの知ってるよ」



「だったら………
夕べのことは……
一夜限りの………」



「だから、なんで?
オレ言っただろう?
姫のことが好きなんだ」


耳元で甘い言葉を
言われて
クラッときた


「好きで好きで
どうしようもない
姫を誰にも渡したくない」


「………だけど」


お兄ちゃんは私の首筋に
顔を埋めて


「可愛い姫を抱いて
何が悪いの……?」


キュウ………
胸がわしづかみに
されてるみたい


「姫は何も考えないで
オレに愛されてればいい……」



頬にお兄ちゃんの手が触れ
顔だけ振り向かされ
キスをした






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