Bitter&Sweet
お兄ちゃんは無表情のまま
「思い出した…………
わけじゃないんだな
その言い方は…………」
フ――――――って
長いため息を
お兄ちゃんがついて
……そうだったんだ……
胸が押し潰されそうに
苦しくなって
目に涙がたくさん浮かんで
哀しくなった
どうしてだかは わからない
大切なことを忘れてた事に
対してかも知れない
重大な事実に
対してかも知れない
記憶を失った私と
ずっと一緒にいた
お兄ちゃんに
対してかも知れない
心の中は ぐちゃぐちゃで
のどが詰まって
息をするのも苦しい……
「でも、姫
一つだけ違うんだ」
混乱する私に
お兄ちゃんは言った
「知らなかったんだ」
「…………え?」
「オレたち兄妹だって
知らずに付き合い始めたんだ
最初はただの家が隣同士の
幼なじみだったんだよ」
「………知らなかった?」
お兄ちゃんは少し
悲しげな顔でうなずいて
「結婚しようと思って……
初めて本当のことを
知ったんだ」
「………そんな……」
お兄ちゃんの話すことは
まるで他人のコイバナのようだ
だけど実際
お兄ちゃんと私の身に
起きたこと――――――――